ハチドリ と ナマケモノ

好きな自分でいる時間をふやす、道のり

【ホンジュラス3ヶ月目】お腹いっぱいの日本食

 
今回は、ホンジュラスに来てちょうど3ヶ月頃(2018年1月)に首都で行われた、在ホンジュラス日本人会主催の新年会についてです。

 

 

 世界中にいる日本人

在外邦人(国外にいる日本人)というのは世界各地に135万1,970人いて(2017年10月時点)、ある程度の規模のコミュニティができると”日本人会”が作られます。

異国の地では様々なトラブルに見舞われたり、ストレス解消がうまく出来ず閉鎖的な気持ちになったりもするので、日本人会の交流があることで情報交換をして助け合ったりコミュニケーションを取ったりする訳です。

 

アジアだけでもこんなに団体があるみたいです。

 

アジア諸国やヨーロッパ北米などの大きい都市だと日本人が数万人規模で居住し、”ジャパンタウン””リトルトーキョー”などと呼ばれています。

 

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LAにあるアメリカ最大の日本人街リトルトーキョー

 

ホンジュラスにも2018年1月現在、180〜190人の日本人がいて(少なっ!) 

新年会やソフトボール大会だとが行われれているようです。

 

今回の新年会の参加者の半分以上はJICA関係者、という顔馴染みばかりの会でしたが、大人数で集まる機会も多くないので、とっても楽しかったです^^

 

 

やっぱり”同郷”が集まってお喋りできるとそれだけで安心するというか、何ともいえない嬉しさがあります。

人の入れ替わりが激しい業界ですから幹事も大変だと思いますし、こういった交流の機会を作ってくださって、本当に有難いです。

 

日本人同士の繋がりの温かさが沁みた夜でした!!

 

 

 

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… 

 

 

なんつって。

 

私、正直「日本人同士の交流」とかは二の次だったんですよね…。

JICA関係者だって正直誰が誰だか覚えてないですし、どういう日本人コミュニティなっているのかも理解できていません。日本人同士の繋がりをつくる以前に、「自分がホンジュラスで元気に生活する」まずはその基盤を作っている段階ですから。

 

じゃあ何のためにこの新年会に参加したかって?

そりゃ日本食を腹一杯食べるためですよ。

 

 

 

もう一回言います。

 

日本食を腹一杯食べるためです。

 

 

 

 

 

日本人同士の交流<<<日本食

 

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海外で見る寿司屋の8割はこんなデザイン

 

おそらく、海外に長期滞在したことがある人なら強く共感してくれると思いますが、海外特に日本料理店に簡単にアクセスできない地域の場合、日本食ってめちゃくちゃ価値があるものなんですよね。


 

日本で食べるより味が劣るのに値段が高い、とか現地アレンジが入った別物かも、ということは百も承知だけれど、 それでも無い金集めて食べに行っちゃうんですよ。

何かの拍子でハッピーターンなんか貰ったらその人のこと好きになりますし、目を瞑って2〜3分かけて味わって、小分け袋をしばらく眺めますね。

 

本当に貴重、何物にも代え難い素晴らしきパワーアイテムなのです。

 

 

うーん。

この、海外長期滞在者と日本食との関係については後日改めて書きますね。

もう彼(日本食)に対する敬愛と崇拝の気持ちが止まらないので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、話を戻してホンジュラス日本人会の新年会です。

 

 

 

会場は首都で唯一の日本人経営の日本料理店「宇佐美」

https://m.facebook.com/UsamiHN/

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内装も本当に普通の和食屋さん



 

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最強のご飯ものメニュー

このお店には新年会よりも前に1度来たことがあるのですが、日本の倍以上の価格設定にビビってあまり注文できませんでした。(その時は天ぷらそばと餃子を頼んで2,500円くらい。ぐぬぬ…。) 

 

ここは定番のお寿司だけでなく定食メニューや小鉢類など、かなり品ぞろえが良かったので、この新年会でお腹いっぱい日本食を食べる日を本気で楽しみにしていました。

 

 

ちなみに協力隊員の参加費は確か2,000円くらい。生活費としてJICAから支給されるのが約5万円ですから正直安くありません。

日本で月給20万円だとしたら4倍で、8,000円相当の参加費。たかーい(泣)

当日はいかに普段食べれないものを食べてこの高級ディナーの元を取るか、それが勝負になります。

 

 

 

新年会当日「最高!!!!」

 

例の如く遅れて会場に着いたので、空いているテーブルはなんとJICA事務所所長、大使館参事官と同というハードモード。

 

「食事しか頭に無かったのにどうしよう!」と一瞬焦りましたが 、本当にお二人共とても気さくな方なので、リラックスしてお話できましたし、肝心の食事も(お二人の立場上、もはや珍しくもない代物なので)遠慮なくガッツかせて頂けました。

 

 

 

食事はバイキング形式。 

「食事は好きに取ってくださーい」の声と同時にスタートダッシュし、新人隊員らしからぬスピードで全メニュー取り分けました。 

 

おかげで写真はありませんが、めちゃくちゃ豪華でした!!!!

 

 

・寿司にぎり(マグロ、えび、サーモン) 

・鯛のお刺身  

・ローストビーフ 

・ほうれん草おひたし 

・かき揚げ 

・春巻き 

・おでん 

・そば 

・フルーツポンチ 

 

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ローストビーフ(ネットから拝借)

 

最高!!!! 

 

 

こんなん、無いですから。 

 

 

首都にあるモールに行けばフードコートにお寿司も売っていますが、やはりロールが主体の別物なんですよね。 

お寿司以外の食事だってこのレストラン以外では見たことないし、自分で作ろうにも首都の高級スーパーに行かなきゃ、そもそも食材が手に入らない。 

 

もう、夢のようでした。

つい3ヶ月前には当たり前のように食べていた食事なのに、まさかこんなに渇望する存在になるとは…。

 


 

この度合いは人それぞれだと思いますが、この頃の私にとっては

少ない所持金から2,000円払ってでも!首都へ2時間の移動をしても!諸々の手間を割いてでも!

それでも食べたい!と強く欲していたものでした。

 

 

お腹が苦しくなっても意地で食べるくらい食べ続け、会の参加者の皆さんともほどほどに楽しいお喋りをして、新年会は終わりました。

 

 

「安心」を食べる

 

さて、ここで新年会の内容とはズレるんですが、少し小噺をさせてください。

 

当日は同期の女子隊員4人で映画見てお茶してから会場へと向かいました。(そのせいで新年会に堂々と遅刻したんですが。)

 

この「映画⇒お茶の時間」がまた最ッッッ高だったんですよね…(恍惚)

 

ショッピングモールで映画『リメンバーミー』を観て、東京は表参道のようなカフェでサンドイッチとカフェラテを食べて。

 

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オープンテラスで気持ちのよいカフェ

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女子会。サーモンとクリームチーズのサンドイッチ


映画自体もとっても良かったんですけど、とにかくカフェが最高で。

 

「なんかめちゃくちゃホッとする〜」

「幸せ感じる〜」

と言い合いながらみんな遠い目をしてサンドイッチを食べました。

 

 

それぞれ住んでいる任地の発展度合いに差はあれど(=日本と変わらないカフェやサービスがあるか)やっぱり初めての土地で現地の人に混じって生活していくのって、本当に結構大変なんですよね。旅行とは全然違う。

 

赴任して1ヶ月経って何となく上手く馴染んだように表面上は見せれているけれど、実は自分でも気づかない根っこの部分は、慣れない生活によるストレスや不安も大きかったと思います。

 

 

だから、気心の知れた同期が近くにいて日本語で話せるのも安心するし、日本で食べていたような食事がホッとするんです。実家のご飯というか。

 

 

つまり、今思うとあの時すごく日本食を求めていたのは、単に味が恋しいってことだけじゃなくて安心感が欲しかったのかも知れません。

日々どことなく落ち着かない不安定な心持ちで居たから、「ホッとしたい、くつろぎたい」という欲求を「日本食」に求めたのかもしれません。

 

いわば 安心 を食べたかった。

 

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安心感満点の実家のご飯


 

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 【編集後記】

 

単なる新年会レポがまさかの展開になりましたが(笑)

日本で生活していたら当たり前の「日本語での会話」と「日本食を食べる」という行動が「安心感を得る」とイコールだとすると、色々なものの見方も変わってくるような気がします。

 

例えば海外滞在でなくても、新しい職場や人間関係の中で頑張らなきゃいけない時なんかも不安やストレスがあると思います。そんな時は馴染みのカフェで一息ついたり友達とお喋りする時間を持つようにすると、リラックスしていつもの自分に戻れるかもしれません。

 

また自分以外の人がそういう落ち着かない状況の時は、よく食べていたお菓子を差し入れしたりLINEなどでメッセージを送るだけでも、多分自分が思った以上に相手は救われるかもしれません。

 

 

これの効果は、私が保証します(笑)

ホンジュラスで私はそれらに本当に何度も、救われましたから。

 

 

工夫しながら、お互い助け合っていけたらいいなと思います。

 

 

 

 

【ホンジュラス3ヶ月目】軽んじられる話

2018年1月23日 

軽んじられる話 

 

青年海外協力隊としてホンジュラスに来て、初めて悔しくて泣きそうになった出来事についてご紹介します。

記事アップにあたり加筆修正しましたが、基本はその出来事の翌日に気持ちの赴くままガガッと書いたので、若干読みづらいかも。

 

 

 

 

 

突然決まった市長との面会 

 

任地に赴任して約2ヶ月。

職場の人たちの名前を覚えることから始まって、市役所とNGOの仕事を見学させてもらう日々。

彼らが仕事中に話している内容は正直半分くらいしか理解できないけれど、「とにかく何でも見て聞いて、この町を知ろう!」と思っていました。

 

 

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NGOの活動に同行して周辺農村部を巡る。これは公民館のような場所。

 

そんなある日、「廃棄物処分場がどんな様子か見学したい」とカウンターパート(活動上のパートナー)に話したら、「市長に直接相談した方がいい」と、その日の午後に急遽市長の家を訪問することに! 

  

私は普段、配属先の市役所ではなくNGOに身を置くことが多く(環境教育に関わるプロジェクトがあるので)、市長は何故か市役所には全く居ないので、こうしてゆっくり話す機会はほぼ初めてに近い。

 

市長に直接意見を言えるまたと無いチャンス!!と、私は緊張しつつも話したいことを考えたり、分からない単語は辞書で調べたりと自分なりに意気込んで市長宅に向かいました。

 

 

ドキドキのお宅訪問 

 

市長のお宅はやっぱりとても立派で、家具も綺麗で豪華。見慣れない環境にドキドキしながら居間で待っていること2〜3分…。

 

 

ついに奥の部屋から市長登場!

見るからに余裕があって、落ち着いてて、ダンディな感じ。 

(日本の市長とはキャラが全然違うなぁ〜かっこいいなぁ〜)なんて呑気に考えていました。 

 

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右から7番目グレーのスーツが市長、白ジャケットが市長夫人。市長就任セレモニーにて市役所職員と記念撮影。

 

さて、挨拶もそこそこに本題へ。

「実は相談したいことが2つあって…」と切り出し、 処分場を見学したい事と、学校で授業を行うために教育事務所に私を紹介してほしい旨を、一生懸命話しました。

 

たどたどしいスペイン語でしたが、結果的にどちらもリクエストも好意的な反応で受け取ってくれました。一安心。

 

あーよかった良かった。

市長のお墨付きももらって、今後が楽しみだ〜!

 

と、ルンルン気分で市長宅を後に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて事は無く!笑

 

 

Adios!と言ってお宅を出たあと私はとっても悔しくて、ほんのりと悲しかった。

帰り道は体温が上がり息が荒くなって気がします。

 

なぜ言うと、その時の彼の態度がすごくすごく「不遜」だったんですね。

 

 

「それが人の話を聞く態度なの?」 

 

私が必死に話をしている数分の間、市長は自分の足首を膝の上に乗せて、そのまま寝るんじゃ無いかってくらい背もたれに寄りかかる姿勢。 

私の話を聞いてはいるけど「聴いてない」って感じが普通に分かる。 

 

あーハイハイ、みたいな。もう全然、私の話には興味が無さそうでした。

私の提案に対して「いいね、OK」とアッサリ快諾してくれたのは、つまり内容云々ではなくて、そもそも彼の中で「どっちでも良いこと」だったのでしょう。興味関心がないから、提案を通してもなんでも良かったんです。

 

 

一緒に来てくれたカウンターパートが私の拙い説明を補足してくれたり、会話を取り持って気を遣ってくれましたが、 そんな彼の優しさが申し訳なくなるくらい、市長はすごく”偉そう”でした。

 

いや、市長だから確かに社会的地位は私より高いし、”偉い”立場の人であることに間違いは無いんですが…だからと言って不遜で良いことになりません。

 

 

地位が高い人間なら、どんな振る舞いをしても許されるなんとことは絶対に無い。

 

社会的地位というのは社会システムを回す位置を示すマークに過ぎない、誰に対しても敬意を持って接するべきだ、と私は思います。

平和や愛のある社会を目指すなら、ね。ちょっと規模が大きいですが。

 

 

自分の想いを無下にされたこと、軽んじられたことが本当に残念で、悔しかった。

 

「そんな簡単に活動を理解されることは無い」と頭では分かっていても、やはり心にズシンと来て、涙が自然と溢れてきました。

 

 

市長は私に期待していない。

街の環境管理や生活改善に興味がない。 

彼の本意は分かりませんが、一連のやり取りからそう感じてしまった出来事でした。

 

 

 

それでも、ここでやっていくしかない

 

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任地Yuscaranの目抜き通り。

市長との初戦は苦い結果に終わりましたが、まだ残り20ヶ月、この地で活動していかなきゃいけないんです(震え声)

 

こういう事はこの先何十回とあるでしょう。傷付いたり、憤ったり、心底嫌になったり、全てがどうでもよくなる日が、何度も何度もあると思います。

 

だから今私ができることは、受け流すこと。

 

 

自分が尊重されず適当にあしらわれた事に傷つき怒りを感じた事は認める。

泣いていいし怒っていい。

でもいつまでもそこに縛られない。

十分感情を吐き出して洗い流してあげたら、あとは「まぁそういう日もあるさ」と忘れる!

 

 

 

正直に言うと、ホンジュラス人に適当に扱われることって、別に今回が初めてという訳では無いんですよね(苦笑)

結構雑に放って置かれたりとか、存在を忘れられたりするのは日常茶飯事です。それはまだ私という存在が彼らの中で重要じゃなかったり、そもそも日本人のコミュニケーションが丁寧すぎてギャップを感じるだけかもしれません。

良くも悪くも、テキトーでOK!な文化だと思います。

 

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雨が降ったら軒先で雨宿り、のセニョールたち

 

だから市長のエラソーな態度はムカつくし、ちょっとショッキングな出来事ではあったけれど、こんな事は想定の範囲内でもあるのです。あるある、です。

 

 

2年経ったら、いったい私はどんなメンタルになっているのでしょうか?

少しずつ鍛えていって強くしなやかな心を持てていたらと思います。

 

Poco a poco.