ハチドリ と ナマケモノ

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【ホンジュラス3ヶ月目】軽んじられる話

2018年1月23日 

軽んじられる話 

 

青年海外協力隊としてホンジュラスに来て、初めて悔しくて泣きそうになった出来事についてご紹介します。

記事アップにあたり加筆修正しましたが、基本はその出来事の翌日に気持ちの赴くままガガッと書いたので、若干読みづらいかも。

 

 

 

 

 

突然決まった市長との面会 

 

任地に赴任して約2ヶ月。

職場の人たちの名前を覚えることから始まって、市役所とNGOの仕事を見学させてもらう日々。

彼らが仕事中に話している内容は正直半分くらいしか理解できないけれど、「とにかく何でも見て聞いて、この町を知ろう!」と思っていました。

 

 

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NGOの活動に同行して周辺農村部を巡る。これは公民館のような場所。

 

そんなある日、「廃棄物処分場がどんな様子か見学したい」とカウンターパート(活動上のパートナー)に話したら、「市長に直接相談した方がいい」と、その日の午後に急遽市長の家を訪問することに! 

  

私は普段、配属先の市役所ではなくNGOに身を置くことが多く(環境教育に関わるプロジェクトがあるので)、市長は何故か市役所には全く居ないので、こうしてゆっくり話す機会はほぼ初めてに近い。

 

市長に直接意見を言えるまたと無いチャンス!!と、私は緊張しつつも話したいことを考えたり、分からない単語は辞書で調べたりと自分なりに意気込んで市長宅に向かいました。

 

 

ドキドキのお宅訪問 

 

市長のお宅はやっぱりとても立派で、家具も綺麗で豪華。見慣れない環境にドキドキしながら居間で待っていること2〜3分…。

 

 

ついに奥の部屋から市長登場!

見るからに余裕があって、落ち着いてて、ダンディな感じ。 

(日本の市長とはキャラが全然違うなぁ〜かっこいいなぁ〜)なんて呑気に考えていました。 

 

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右から7番目グレーのスーツが市長、白ジャケットが市長夫人。市長就任セレモニーにて市役所職員と記念撮影。

 

さて、挨拶もそこそこに本題へ。

「実は相談したいことが2つあって…」と切り出し、 処分場を見学したい事と、学校で授業を行うために教育事務所に私を紹介してほしい旨を、一生懸命話しました。

 

たどたどしいスペイン語でしたが、結果的にどちらもリクエストも好意的な反応で受け取ってくれました。一安心。

 

あーよかった良かった。

市長のお墨付きももらって、今後が楽しみだ〜!

 

と、ルンルン気分で市長宅を後に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて事は無く!笑

 

 

Adios!と言ってお宅を出たあと私はとっても悔しくて、ほんのりと悲しかった。

帰り道は体温が上がり息が荒くなって気がします。

 

なぜ言うと、その時の彼の態度がすごくすごく「不遜」だったんですね。

 

 

「それが人の話を聞く態度なの?」 

 

私が必死に話をしている数分の間、市長は自分の足首を膝の上に乗せて、そのまま寝るんじゃ無いかってくらい背もたれに寄りかかる姿勢。 

私の話を聞いてはいるけど「聴いてない」って感じが普通に分かる。 

 

あーハイハイ、みたいな。もう全然、私の話には興味が無さそうでした。

私の提案に対して「いいね、OK」とアッサリ快諾してくれたのは、つまり内容云々ではなくて、そもそも彼の中で「どっちでも良いこと」だったのでしょう。興味関心がないから、提案を通してもなんでも良かったんです。

 

 

一緒に来てくれたカウンターパートが私の拙い説明を補足してくれたり、会話を取り持って気を遣ってくれましたが、 そんな彼の優しさが申し訳なくなるくらい、市長はすごく”偉そう”でした。

 

いや、市長だから確かに社会的地位は私より高いし、”偉い”立場の人であることに間違いは無いんですが…だからと言って不遜で良いことになりません。

 

 

地位が高い人間なら、どんな振る舞いをしても許されるなんとことは絶対に無い。

 

社会的地位というのは社会システムを回す位置を示すマークに過ぎない、誰に対しても敬意を持って接するべきだ、と私は思います。

平和や愛のある社会を目指すなら、ね。ちょっと規模が大きいですが。

 

 

自分の想いを無下にされたこと、軽んじられたことが本当に残念で、悔しかった。

 

「そんな簡単に活動を理解されることは無い」と頭では分かっていても、やはり心にズシンと来て、涙が自然と溢れてきました。

 

 

市長は私に期待していない。

街の環境管理や生活改善に興味がない。 

彼の本意は分かりませんが、一連のやり取りからそう感じてしまった出来事でした。

 

 

 

それでも、ここでやっていくしかない

 

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任地Yuscaranの目抜き通り。

市長との初戦は苦い結果に終わりましたが、まだ残り20ヶ月、この地で活動していかなきゃいけないんです(震え声)

 

こういう事はこの先何十回とあるでしょう。傷付いたり、憤ったり、心底嫌になったり、全てがどうでもよくなる日が、何度も何度もあると思います。

 

だから今私ができることは、受け流すこと。

 

 

自分が尊重されず適当にあしらわれた事に傷つき怒りを感じた事は認める。

泣いていいし怒っていい。

でもいつまでもそこに縛られない。

十分感情を吐き出して洗い流してあげたら、あとは「まぁそういう日もあるさ」と忘れる!

 

 

 

正直に言うと、ホンジュラス人に適当に扱われることって、別に今回が初めてという訳では無いんですよね(苦笑)

結構雑に放って置かれたりとか、存在を忘れられたりするのは日常茶飯事です。それはまだ私という存在が彼らの中で重要じゃなかったり、そもそも日本人のコミュニケーションが丁寧すぎてギャップを感じるだけかもしれません。

良くも悪くも、テキトーでOK!な文化だと思います。

 

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雨が降ったら軒先で雨宿り、のセニョールたち

 

だから市長のエラソーな態度はムカつくし、ちょっとショッキングな出来事ではあったけれど、こんな事は想定の範囲内でもあるのです。あるある、です。

 

 

2年経ったら、いったい私はどんなメンタルになっているのでしょうか?

少しずつ鍛えていって強くしなやかな心を持てていたらと思います。

 

Poco a poco.